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2026.08.20AI導入の実務

AI導入前の業務棚卸しのやり方|4ステップで優先順位まで決める

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AI導入前の業務棚卸しのやり方|4ステップで優先順位まで決める

AIを入れたいのに、何から手をつけるか決まらない。契約だけは済ませたが、社内で使っているのは自分ひとり。中小企業の経営者と話すと、この状態が本当に多いです。

原因はやる気ではありません。順番です。私は、AI導入がうまくいくかどうかは業務棚卸しをやったかどうかでほぼ決まると考えています。この記事では、私が実際に使っている棚卸しの手順を、そのまま真似できる形で書きます。必要なものは、表計算ソフトが1枚だけです。

棚卸しを飛ばすと、契約だけが残る

先に結論から。何から使うかを決めずに始めると、たいてい使われずに終わります。

理由は単純です。自分の業務のどこが重いのかを、経営者本人も正確には把握していないからです。感覚では「メール対応が大変」と思っていても、実際に測ると別の作業のほうが時間を食っている。よくあります。

私自身、AI秘書を自分のメールに付けた初日に、10日間埋もれていた依頼が見つかりました。受信25通のうち、人から届いた本物のメールは1通だけでした。測るまで、私はそこが穴だと気づいていませんでした。

手順1:業務を一覧にする

最初にやるのは、社内の業務を全部書き出すことです。列は4つで足ります。

何を書くか
業務誰が何をしているか。「請求書を作る」くらいの粒度
工数1回あたり何分か。感覚ではなく実測
頻度毎日/週次/月次のどれか
リスク止まったら何が困るか。金額に直せるなら金額で

コツは3つあります。1つ目は、部署ごとではなく作業ごとに書くこと。2つ目は、工数を必ず分単位で入れること。3つ目は、リスク列を空欄にしないことです。

リスクは軽く見られがちですが、ここが一番効きます。私の会社では、未請求のアラートが請求漏れ64,000円を見つけました。同じ目で見直したところ、似た穴がほかに4つ出てきました。頻度が低くても、リスクの大きい業務は上位に来ます。

手順2:AI適用マトリクスで仕分ける

一覧ができたら、反復性と複雑性の2軸で仕分けます。反復性は「同じ手順を繰り返すか」、複雑性は「判断や例外が多いか」です。

複雑性が低い複雑性が高い
反復性が高いAI主導
協働反復性が低い
協働人主導

AI主導は、下書きまでAIに任せる領域です。協働は、AIが案を出して人が選ぶ領域。人主導は、当面は人がやる領域になります。

たとえば会計の仕訳は、反復性が高く複雑性が低い側に入ります。私の会社では7ヶ月分・172本の仕訳をこの流れで片づけました。議事録の作成やSNS投稿の下書きも同じ側です。Instagramの運用は、作成から投稿まで5分に収まりました。

ここで必ず線を引いてください。お金・外に出る送信・削除の3つは、AIに任せません。AIは下書きと提案まで、最後のボタンは人が押す。この設計にしておくと、社内の反対がほとんど出なくなります。私が渡しているAI社員も、すべてこの前提で作っています。

手順3:効果を試算する

仕分けた業務ごとに、金額の見込みを出します。使う式は次の1本だけ。

削減できる時間(分)× 頻度(月あたりの回数)÷ 60 × 社内の時間単価

時間単価は、その業務を担当している人の年収を年間労働時間で割れば十分です。精密さより、業務どうしを比べられるかどうかで判断してください。

削減時間が読めない業務は、無理に数字を入れず「リスク回避」と書いておきます。請求漏れの検知や見落としの防止は、時間ではなく金額で効いてくるためです。

手順4:優先順位トップ3を決める

全部やろうとすると必ず崩れます。私も、同時に進める構築は2〜3件までと決めています。

選ぶ基準は次の3つです。

  • 毎日発生していて、工数が積み上がっている
  • リスクが金額に直結している
  • 手順が固まっていて、説明すれば人にも渡せる

3つ目が抜けると難航します。人に説明できない業務は、AIにも渡せません。逆に言えば、手順が言葉になっている業務は、そのまま仕組みに組み上げられます。

そして、この一覧はそのまま次の見積りになります。どの業務を、どの順番で、どこまで仕組みにするか。棚卸しの表があれば、その場で計画に変換できます。ゼロから要件を聞き直す必要がありません。私が納品してきた経営ダッシュボードも、議事録の自動化も、入口はこの一覧でした。

棚卸しは一度で終わりではありません。業務も人も入れ替わるからです。私がAI顧問を最低3ヶ月からにしているのも、動かしながら見直す前提だからです。

まとめ

業務棚卸しは、難しい作業ではありません。業務・工数・頻度・リスクを一覧にして、反復性と複雑性で仕分け、効果を試算し、トップ3を決める。この4手順です。

やってみると、思っていた場所と違うところに穴が見つかります。私の場合もそうでした。先に地図を描くから、どこから手をつけるか迷わなくなります。

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