夜のオフィスで一つだけ灯ったデスクランプと閉じたノートパソコン
2026.08.22AI導入の実務

ChatGPTを配ったのに使われない会社が、最初にやること

ホームAI導入の実務 / AI導入の実務

ChatGPTを配ったのに使われない会社が、最初にやること

法人プランを契約して、社員全員にアカウントを配りました。それからしばらくして管理画面を開くと、使っているのは数人だけ。この相談を私はよく受けます。ChatGPTが使われない会社には、はっきりした共通点があります。社員のやる気ではありません。

使われない原因は、社員のやる気ではない

配られた側の立場で考えてみます。目の前には今日の仕事が積まれ、締切も迫っている。そこへ新しい画面がひとつ届きます。開いても、白い入力欄があるだけ。何を書けばいいのか分かりません。数分さわって閉じ、翌日はもう開かない。

これは能力の問題ではないのです。使い道が決まっていないだけ。どれだけ性能が良くても、自分のどの仕事に使うか決まっていないものは置物になります。逆に、使う場面がひとつでも決まっていれば、その人は毎日開きます。

私も、配って終わった側でした

正直に書きます。私も最初は同じことをしました。便利だと思った機能を並べ、これで仕事が速くなるはずだと考えていたのです。結果は、ほとんど開かれないまま。

変わったのは、自分の仕事を一つずつ分解してからでした。今、私の会社ではAI社員に12役割ぶんの仕事を任せています。定義済みは28役割あります。この12役割はどれも、任せる仕事を先に決めてから作ったものです。

たとえばAI秘書を自分のメールに付けた初日、10日間埋もれていた依頼が見つかりました。その日の受信は25通、そのうち人から届いたメールは1通でした。残りは通知や広告です。人の目では埋もれます。

経理でも同じことが起きました。仕訳172本を7ヶ月分さかのぼって整えたところ、64,000円の請求漏れが出てきた。さらに、似た穴が4つ見つかりました。どちらも性能の話ではありません。受信箱から人の依頼だけを拾う、請求と入金を突き合わせる。そう仕事をひとつ決めたから動いた、それだけの話です。

定着しない3つの理由と、その直し方

現場で見てきた原因は、だいたいこの3つに収まります。

定着しない理由現場で起きていること直し方
使い道が決まっていない開いても何を書けばいいか分からない任せる業務を先に3つだけ決める
触る人が決まっていない全員のものは、結局誰のものでもない業務ごとに担当を1人置く
効果が見えない使っても使わなくても評価が同じ時間か金額で、月1枚の数字にする

3つ目は見落とされがちです。人は、結果が見えない作業を続けられません。削れた時間や防げた漏れを、月に一度だけ数字にする。それだけで空気が変わります。

任せる仕事を先に決めてから、仕組みを作る

順番が逆になっている会社がとても多いです。先に契約して、後から使い道を探している。これを入れ替えます。

まず、1日の作業を書き出してください。次の3つが重なる仕事から手をつけます。

  • 毎週かならず繰り返している
  • 判断がほとんど入らない
  • 文章か数字を扱っている

議事録の整理、請求前のチェック、日報の要約。だいたいこのあたりが最初の候補になります。ここまで決まって、はじめて仕組みを作る段階です。作るのは全社向けの汎用的なものではなく、その業務専用の入力と出力の型。私の場合、議事録は自動でまとまるようにしましたし、Instagramの投稿は作成から公開まで5分で終わる流れにしました。どれも、先に業務を切り出したから形になっています。

ひとつ守ってほしい線があります。お金、外に出る送信、削除。この3つは人が握ってください。AIは下書きと提案まで、ボタンは人が押す。この形にしておくと、現場が安心して使い始めます。

誰が毎日触るかを決める

全員に配った瞬間、担当者はいなくなります。所有者がいないからです。

業務ごとに、毎日触る人を1人決めてください。その人が最初の一週間で型を固めます。うまくいった書き方を残し、外れた場面をメモする。二週間目から周りに渡していく。この順番だと、社内に使い方が残ります。

学ぶ場を用意するのも有効です。私は2026年8月に、社内AI研修を全8ツール120分で実施しました。ただし研修だけでは定着しません。研修は、決まった使い道を配るための場です。使い道が決まっていない状態で研修をしても、終わった翌週には元に戻る。法人向けAI研修を検討するときは、先に業務を決めてから日程を組んでください。

まとめ

ChatGPTが使われないのは、社員のやる気が低いからではありません。自分のどの仕事に使うかが決まっていないからです。直す順番は3つ。任せる業務を先に決める。そこにだけ仕組みを作る。毎日触る人を1人置く。ここまでやって、はじめて数字が動き始めます。

とはいえ、自社のどの業務から手をつけるかを社内だけで決めるのは、なかなか難しいものです。私は福岡を拠点に、全国からのご相談をオンラインで受けています。無料のAI業務診断では、今の業務を伺って、その場でAI化できる業務をお伝えします。まずは使い道をひとつ決めるところから、ご相談ください。

← お知らせ一覧へ 30分の無料AI業務診断
30分の無料AI業務診断を予約する